「114個」の記事をアップしました 2021/03/14

企業の採用と、私の働き方のこと

2020年3月9日の日本経済新聞に、「ユニリーバが採用において性別記載を廃止する」という記事が掲載されていました。ユニリーバのこの取り組み自体は素晴らしいことだと思うし、学生や社会に向けてのアピールにもなったと感じます。

記事の中で「採用過程において男女が平等に扱われていると思うか」という質問を「採用において書類審査を担当することがある全国の会社員、会社経営者424人」にインターネットで調査した結果が載っていました。

・「平等に扱われていると思う」 49.8%
・「どちらとも言えない・わからない」 23.6%
・「いいえ」   26.6%

明確な「いいえ」が26.6%!しかもそのうち18%が「応募職種から男性候補者を優先したことがある」と答えたという。

私たちは育った家庭環境にはよるけれど、大学生になるくらいまでは男女における差(特に教育)を感じることはあんまりないと思う。(医大入試問題はありえないけど)それが、企業に就職しようとするといきなり「男女差の壁」にぶつかる。そこでも気づかなかった優秀な女性たちは、ライフステージを上がるときにいわゆる「アンコンシャスバイアス」を感じることとなる・・・これが、私の今までの経験や、読書を通じて得た感覚です。

私が就職活動をしていたころ、やはり聞かれました。「結婚出産についてどう考えていますか」と。今思えば、男性についても同じ質問をしていたわけではないだろうから明らかに「企業で活躍できるか否か」には関係ない質問だったはずです。前職では、部下を持っていたため、部下の岐路に出くわし、それを報告相談するたびに、当時の人事部責任者から「だから女性は難しいんだよね。」と何度も言われました。

今思えば私もその環境の中で、いい意味でも悪い意味でも適応し、「男性並みの女性」を目指したり、女性に対する先入観や理不尽な考え方を口に出す部門長たちに「女性にも悪いところがある」というような相槌を打ってしまったこともありました。やはり私は少数派で、その組織の中で生きていくことしか知らず、年月を重ねる中でちょっとずつちょっとずつ自分の意見や信条に蓋をしてきたんだと思います。

一つの企業に13年勤め、業績的にも規模的にも制度的にもそれなりに会社の発展する姿を見て自分も一緒に成長することができました。でも、いつのまにか自分の地位や居場所に固執して、分からないことが少なくなって、狭い世界にこじんまりといるような気がして、「おかしいことをおかしい」ということをあきらめて…

ふとしたきっかけでそこを抜けだしました。多くの人から「もったいない」「恵まれているのに」と言われたけれど、住み慣れた街も離れ、今は初めての場所で初めての経験をジェットコースターに乗っているように、気持ちを乱高下させながら積み上げています。

分からないことだらけの環境に来て、やっと自分の無意味なプライドに気づきました。その無意味なプライドを一枚ずつ剥いでいるような日々です。自分が何者でもなかったことに気づく日々です。すべてが新しいことだから、新しいことに躊躇していたら何にもできません。電話一本かけられません。長年一つの場所で、それなりの地位で過ごしている人たちは、外に出たら私以上に何もできないんじゃないかなと思います。

外に出ることは勇気がいるけれど、「自分が何者でもない」という経験をするかしないかは、その後の働き方、生き方について大きな影響を与えると思うのです。

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