バランスの取れた知識が身に着く「住宅ローンはこうして借りなさい」

社会人になってから14年、住宅ローンにずっとかかわってきました。ある時は住宅メーカーの資金担当として、そのあとはモーゲージバンクの責任者の一人として…

そんな私が「住宅ローンについて知りたい」という方にお勧めしたいのがこの本です。
深田晶恵 「住宅ローンはこうして借りなさい 改訂7版」 2019年

住宅ローンに関するバランスの取れた内容

この本の良いところは、住宅ローンに関する知識をほぼ網羅していることと、中立の立場に立った説明になっている点です。文体も分かりやすく、住宅の建築や販売スケジュールに沿った説明も掲載されています。ケーススタディも豊富で、これから住宅ローンを組もうとしている人にはぜひ読んでほしい本です。

住宅を購入するときに、住宅ローンについて学ぼうという人はあまりないのが現状です。住宅金融支援機構の調査からも、購入者が住宅ローンに関する情報を得るのは、住宅会社の営業担当からのケースが50%以上占め、住宅会社の営業担当にすすめられたローンを選んでいる人も多いです。
参考:民間住宅ローンの実態調査 2018年

住宅ローンで大事なのは総返済額をいかに少なくするか

この本で強調されていることで、私が強く同意するのは、

「住宅ローンで大事なのは総返済額をいかに少なくするか。毎月の返済額が少ないことが利息を少なくすることではない。」

ということです。

毎月の返済額は少ない方がもちろん楽ですが、それよりも支払う利息をいかに少なくするのかが重要です。(あくまで基本の話をしています。)今から7年ほど前に、深田晶恵さんのセミナーに参加したことがあるのですが、その時目からうろこが落ちた考え方がこれなのです。

「低い金利」で借りるのはもちろん重要で、今の変動金利はとても低いです。ネット銀行系だと優遇後の適用金利が0.3%台というのも珍しくなくなってきています。ただ、変動金利の場合は半年間という短い期間だけしか金利を約束していないのです。それに対して最長35年間の金利を約束するフラット35(9割以下)は現在1.29%。質の良い家であればここから10年間0.25%マイナスされます。「期間に対して」という目線で考えれば、全期間固定金利は「割安」であると言えます。

また、「返済期間」は長くすると毎月返済額は少なくなりますが、トータルで支払う金額は増えます。何も考えずに35年返済を選択する人がとても多いですが、総返済額を意識すると家計に無理のない範囲で返済期間は1年でも2年でも短くすることを心掛けてほしいです。

住宅ローンのリテラシーが必要

自分の予算を考えて住宅展示場やマンションギャラリーに行っても、そこで「無料相談FP」によるライフプランを受けて予算をどんどん上げていってしまう方を多く見かけます。住宅会社が連れてくるFPの狙いは2つです。

・自分の紹介する保険に入ってもらうこと
・住宅会社に依頼されている金額にお客様の予算を上げること

もちろん信頼できるFPの方もいますが、自分の将来に大きくかかわることなので、住宅ローンについてはしっかり学んで自分で選択したいものです。

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