居住面積ミスマッチとは住替えの循環不良が原因

現在の住環境について肌感覚でいうと…

 私たちの住環境において、住宅の延べ床面積は年々減少しているように思われます。昔の家(昭和以前のイメージ)は平屋であったけれど、部屋数は沢山あったのではないでしょうか。一戸建てでは必ず和室という応接間がありました。多くの間取りは続き間があり、襖(ふすま)を取り除くと大きな大空間となり、そこでは身内やご近所を集い、様々な行事が行われていたかと思います。お葬式が代表的で、地域のお寺から住職に依頼をしお経を読み上げ、その後には長テーブルがいくつも並べられ食事が振舞われた光景が、全国どこの地域にもあったかのではないでしょうか。

それが今では様々な環境が変わりました。「働き方」、「家族構成」、「交通網の発達」、「通信インフラ」など挙げればキリがありません。

環境が変化していく中で、同じように住宅の環境もいろいろと変化してきています。特に一番気になっているのが住宅の面積です。

「着工新設住宅の一戸当たり床面積の推移」でわかること

以下の表は住宅着工統計(国土交通省)による「一戸当たりの床面積の推移」です。

着工新設住宅の一戸当たりの床面積の推移(総平均、利用関係別)
資料 : 「住宅着工統計」国土交通省

私は以前戸建て注文住宅のメーカーにいました。そのお客様のほとんどの図面をみていたのですが、お客様の年齢層が若い(??)こともあり100㎡を切るような2階建て建物が多かったと記憶しています。上にある表からも読み取れるように、年々住宅の床面積はコンパクトになっていることがわかります。それらは「持家」だけでなく「分譲住宅」、「借家」などすべての住宅に傾向が表れています。

ミスマッチの要素、それは「家族構成」!

ミスマッチの要素についてのデータはここでは掲載しません。家族構成ですが、ざっくり以下のように分類されるのではないでしょうか?

■ 「家族構成」 (住宅の世帯から想定する範囲)

  1. 単身      (1人) 独身等
  2. 夫婦      (2人) カップル、若夫婦、老夫婦もある
  3. 夫婦と子供   (3人以上)
  4. 夫婦と子供と親 (4人以上)
  5. その他

上記の家族構成を床面積の大中小で例えてみるとこのようになるのだと思います。つまり、年齢を重ねることで家族構成が変化(増加もするし、減少もする)のだから当然ですよね。

  • 「1.単身」の場合、年齢が若年層や高齢層であっても、床面積は「コンパクト」でも良いのです。
  • 「2.夫婦」の場合、年齢が若年層や高齢層であっても、床面積は「ミドル」という表現がよろしいのでしょうか。それに比べて高齢層は「コンパクト」でも良いと思われます。
  • 「3.夫婦と子供」の場合年齢層から離れ、家族数、つまり「部屋数」が求められるため「ラージ」である必要があります。
  • 「4.夫婦と子供と親」では上記よりもさらに「部屋数」が求められる「ラージ」が必要になります。

こうしてまとめてみると、私たちは”やどかり”のようにその大きさに合わせた住まいを「移住」出来たり、「住み替え」たり、「引っ越し」や「売買」が簡単に出来ることが必要なのではないでしょうか?夫婦二人で購入した新築一戸建てを、将来子供が増えることを想定していても、いずれ子供が大人になり、巣立っていくとその2階の部屋は物置部屋になり、「正月の時に帰ってくるための一応の部屋」として確保するのでしょう。しかし今度は自身が高齢者となった場合、もはや家を管理することすらも難しくなり、「コンパクト」で交通や医療施設に近い立地へ移住することは必ずやってくるのです。

「所有」することと「賃貸」することの難しさ

どうしても私たちはステータス(?)のためなのか「所有」にこだわってきたように思います。所有は住み替えや引っ越しをするときのネックになりやすいことがあります。例えば住宅ローンの残債があれば、その時点の売却益と残債額を見比べなければなりません。所有すること自体は問題無いのですが、年齢とともに住環境を変えることが出来たら(ヤドカリのように)いいのではないでしょうか。

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