どうして総合職正社員の女性が出産後に退職するのか(1/3)

2か月ほど前、自分の人生で成し遂げたいことを再度考えていた私が、
「女性を勇気づけたい」と思い至ってから、初めて読んだ本です。

中野円佳 「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか 2014年

改正均等法や育児・介護休業法の改正などを経て、
制度的にも人数的にも女性の就労継続可能性が拡大してから入社した世代を「育休世代」と呼んでいます。
大学卒業と就職を2001年以降として、おおむね1978年生まれ以降の世代のことです。
この世代は「自己実現」プレッシャーと「産め働け育てろ」プレッシャーに晒されてきた世代だと筆者は言っています。
私もここに当てはまります。

様々なインタビューや先行研究への言及を通して、
筆者は「どうして総合職正社員の女性が出産後に退職するのか」と
「仕事を継続していても、出産後に意欲がなくなっているように見なされがちなのはなぜなのか」
という問いに答えを出そうとしています。

本の中で「ジェンダーの社会化」という概念が出てきます。

「ジェンダーの社会化」とは、男女の役割を子供が身に着けていく過程。
(女性にとって言えば、学業達成や社会的地位の達成、就労を継続することへの意欲が(アスピレーション)が冷却(cooling out)され、男性を打ち負かすことに成功不安を覚える状態)

育休世代は、男女差のない教育を受け、「自己実現プレッシャー」の元、
「男並み」を目指してきたため、
ジェンダーの社会化は、自分が当事者になる(妊娠する等)まで経験しなかった。
男性中心的な競争への意欲を掻き立てられてきたことにより、
仕事を継続するための環境や資源を積極的に選択できなかったことが、
出産後に退職する原因だと筆者は主張しています。

逆に、ジェンダー秩序に従ったり、利用しようとしたりと、
もともと競争意識があまりないか、競争意識を持たないように意識を切り替えている女性の方が
企業に残りやすいという状況があるとのこと。
これが出産後の女性が意欲がないように見なされがちな原因だといいます。

女性の二分化は結果としてジェンダー秩序の強化につながってしまう。

筆者の「自分が女だと気づくのが遅すぎた」というコメントが胸に刺さります。

私の場合は、自分が女であることには気づいてはいました。
それは、母の「男の人は女の人よりも優れている」という主張に反発していたからだと思います。
女であることには気づいていたけれど、男性と同じようにバリバリ働きたいと思っていました。
多くの女性が経験するように「結婚したら」「妊娠したら・・・」という思いが
頭をかすめることもあったけれど、
目の前のことに集中し、考えを先送りにしてきたのが正直なところです。

私は企業の体制の中で「意欲の冷却」を経験しました。
オールドボーイズネットワークに翻弄され、実体のない批判に苦しんだこともありました。
それでもなんとかやってきたのは、当時の社長や友人が「勇気づけて」くれたから。

この本は文章が難しく理解するのには時間がかかりますが、
女性活用について示唆に富んでいるのでぜひ読んでほしいです。
別の投稿でこの本が示している解決への提案についても取り上げたいと思います。

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