なぜ共働きも専業も(そして男性も)しんどいのか?(1/2)

「育休世代のジレンマ」に続き、中野円佳さんの本を読んでいます。
中野円佳 「なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造」 2019年

「育休世代のジレンマ」は、総合職正社員の女性が出産後になぜ会社を去ってしまうのか、という問いに答えを出そうとインタビューや育休世代の特徴の研究を通して論じています。

「育休世代のジレンマ」の続編的な本

「育休世代のジレンマ」のブックレビューはこちら(2

今回の「なぜ共働きも専業もしんどいのか」は、著者が夫のシンガポール転勤に帯同し専業主婦になった経験に端を発し、インタビューやケーススタディをもとに「共働き」と「専業(主婦)」の実態とそれを産み出している社会構造、今後の展望を細かなブロックに区切って論じています。「育休世代のジレンマ」よりだいぶ平易になり読みやすく、また時代の変化を感じることもできる一冊です。

タイトルは、なぜん「共働き」も「専業」もしんどいのか、ですが、私はこの本の中で同時に「男性のしんどさ」を感じることとなりました。その理由はレビューの中で徐々に書きたいと思います。

共働きがしんどい

共働きを経て専業主婦になった例、フルタイムからパートタイムになった例を通して共働きのしんどさを書いています。ここは多くの方が共感することろです。残業や通勤時間が長いことによって帰宅が20時、20時半になってしまうとシッターさんからバトンタッチしてお風呂に入って寝るだけ、という生活。自分のしたかった育児と現状があまりに違っていて心身の健康を崩した話・・・

私の世代には「両親が共働きだった」という人も少なくありません。ただ、かなりの確率で「祖父母の存在」があった。同居していたり近居していたりで朝ご飯から夜ご飯まで祖父母宅で食べていた、という人がたくさんいます。今は、祖父母が遠方にいたり、祖父母との折り合いが悪かったりしてなかなか「祖父母力」を得られる環境が少ないように思います。祖父母側も「孫の面倒をずっと見ている」以外にやりたいことがある現状があります。

また、フルタイムからパートタイムに移った方は、夫との年収の格差について触れています。夫と同じように働いても給料の格差がある。そうであれば、自分が仕事を辞めるなりパートになるなどするのが現実的な路線で、収入が下がる可能性がある以上、夫に「ワークライフバランスをとれる会社に転職する」選択肢を勧めはしない、という話でした。

夫婦のどちらかが働き方を変えることを迫られるとき、往々にして女性が自らそれを選択します。日々「自分が理想とする育児ができていないこと」「教育ができていないこと」について罪悪感を持っていることが一つの理由ではないかと私は思います。この意識が社会全体にある。

次の記事では、専業と男性のしんどさについて考察してみようと思います。

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