どうして総合職正社員の女性が出産後に退職するのか(3/3)

本記事は、下記本のブックレビューに私の経験や考え方を追記したものの3/3です。
中野円佳  育休時代のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? 2014年

1/3はこちら
2/3はこちら

総合職正社員の女性が「男なみ」を目指すゆえに辞めてしまうパラドクス
「非男なみ」女性が残る中で発生する企業内のジェンダー秩序の強化
夫の「男なみ」が優先されることによる家庭内のジェンダー秩序の強化

筆者はこれらの問題にどのように対処していくかを
①教育 ②政府 ③企業 ④女性 ⑤男性 に分けて(期待を込めて)論じています。

本記事では、④女性について取り上げたいと思います。

筆者は、女は女であることを早くから認識し、「女ゆえ」の道を選ぶことに一定の理解は示しつつも
「働きやすさ」だけに注目することは、
女性のやりがいや得意分野、収入などによる仕事の選考を無視することになると主張している。

自分がやりがいを感じられる仕事内容で、働きやすい企業に入るのが一番だが、
その両立は社会の状況では難しいと言わざるを得ない。

その場合、どうするか。

①仕事は仕事と割り切って働きやすい企業に入り、やりがいを後から見出す、
 もしくは、仕事以外の分野にやりがいを見つける
②働きにくくてもやりがいを感じられる仕事内容の企業に入って、
 その中でなんとか環境を変えていく

女であることで何か方向づけられることを、何かをあきらめなければならないことを、
環境に恵まれ競争に勝ち抜ける能力を持った人たちが受け入れてしまえば社会は変わらない。

だから、入ってしまった企業でパイオニアになること、ルールを変えようと戦うことは
女性が認識しているよりもはるかに重要だ、と筆者は主張しています。

これには、私も同意します。
ただ、LEAN INへの批判でもあったように「女性よ、意欲を持て」というだけでは
不十分なんだろうとも思います。(LEAN INに関する記事はこちら

意欲を持とうと思っても、日々のケアやオールドボーイズネットワークに翻弄され
「もう、いいか」と思う瞬間が訪れてしまうのです。
その時に女性の状況に気を配り勇気づけ、そっと背中を押し続けることが必要です。

筆者の女性たち自身が対立しないことが重要だと述べています。

女性たち自身が、女性の問題を共通する問題ととらえ、対立しないこと。
「無難な理由」(結婚、出産など)で企業を去る前に声をあげること。
正当な責任を任され正当な貢献に対して正当に評価されることを要求すること。

その通りだと思います。これがきちんとできれば、女性の利益につながるはずです。

「育休世代」の女性は、前述した2つのプレッシャーにさらされ、
「均等法時代」の女性とはまた違った難しい状況にいます。

私は周りを見ていて、自分の世代が出産後に仕事を辞めた最後の世代になるかもしれない、
という希望的観測を持っています。

社会や会社の制度は、少しずつ変わっていくのでしょう。
そこに女性の「意欲」が加われば、状況は加速度的に変化していくと思います。
女性が意欲を持つのに必要なのは、「自信」と「勇気」です。

詐欺師感覚から解放され自信を持ち、周りの人の力を借りながら「勇気」を持つ。
どのような態度や言葉が女性を勇気づけるのか、自分自身の経験から
発信していきたいです。

この本はやはり「育休世代」にフューチャーして論じているところか新しい。
女性が抱いている思いもうまく言語化されています。
女性活用について考えている方はぜひ読んでみてください。

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