「114個」の記事をアップしました 2021/03/14

「災害に強い住宅選び」~不動産の災害リスクは自己責任

住宅とは命を守るものであり、「安心安全」であることが欠かせません。その思いをこの本を読んでさらに強くしました。

長嶋修、さくら事務所「災害に強い住宅選び」2020年

まずはリスクを認識する

家を建てる、マンションを買うとなったときに、設備や間取り、立地の利便性などに目を取られがちですが、やはり一番に考えるべきは、「自分と家族の安心安全が守られるか」ということです。

そのためには、昨今の災害事例などから「リスク」を認識しておくべきです。

まずは立地について、下記を確認します。
・ハザードマップ
・河川整備計画
・地盤調査結果

今の状況だと、浸水可能性があるエリアとそうでないエリアであまり価格差は見られませんが、安全性を考えるとやはり浸水可能性の低いエリアを選ぶべきです。私は、以前住んでいたところが台風で2回膝のあたりまで浸水しとても怖い思いをして、高台に引っ越した経験があります。

この本では、今までの災害事例やマンションや一戸建ての災害に強い部分、弱い部分をわかりやすく説明しています。

減災のための事前対策・事後対策

本の中で特に役に立つ部分が、第5章の「減災のための事前対策・事後対策」です。マンションと戸建てに分けて、リスクに対してとれる対策がまとめられています。

特に一戸建ての場合は、自分で対策をする必要があります。本書で述べられている「一戸建ての事前対策」についてまとめてみます。

1.修繕積立金を自分で準備し、修繕のタイミングの目安を認識しておく。
さくら事務所で築後30年で想定される修繕費用を試算すると830万円にもなるそうです。最近は「メンテナンスフリー」を謳うメーカーもありますが、建物の劣化は避けられない部分が大きいです。ここはマンションを見習って少しずつでも修繕資金を積みたてていく発想を持つべきだと思いました。

2.風水害を意識した設計を行う
基礎を高くする、2階以上にキッチンやバスルームを設ける、コンセントを高い位置につける、1階と2階でブレーカーを分けておく、などです。

3.排水溝や側溝などを掃除しておく
自宅前の道路やバルコニーなど、定期的に清掃が必要です。

4.防災備蓄や土嚢、止水版などを準備する
台風が近づいて慌てて準備するのではなく、事前に用意しておきたいものです。

不動産の災害リスクは自己責任

先日、同僚と話をしていた時に、「家賃や坪単価など、お金の面を気にしなくていいとしたら東京のどこに住みたい?」という話になりました。同僚たちは、「住み慣れた東横線沿線」とか、「やっぱり憧れの港区」とかそんな答えでした。私は少し考えて「高台で災害が少なく、新幹線と空港の利便性の高いところ」と答えました。「そういう考えもあるんだね」とびっくりされてしまいました。不動産業界の同僚でもそうなのです。

不動産の災害リスクについて、購入者もそうですが、不動産業者も社会的使命として認識し、自治体と一緒になって対策に取り組んでいく必要性を感じました。

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