住宅ローンの基礎知識の第二弾です。返済方法についてまとめています。
第一弾はこちら→住宅ローンの基礎知識①返済負担率とは?
元利均等返済とは?
元利均等返済とは、(利息部分も含めた)毎月の返済額が変わらないタイプの返済方法です。

<メリット>
・返済額(元金+利息)が一定のため、返済計画が立てやすい
・元金均等返済に比べて、返済開始当初の返済額を少なくすることができる
<デメリット>
・同じ返済期間の場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなる
・借入元金(残高)の減り方が遅くなる
元金均等返済とは?
元金均等返済とは、毎月の元金の返済額を一定にし、その時々のローン残高に応じた利息をプラスして返済をしていく方法です。

<メリット>
・返済額(元金+利息)は返済が進むにつれ少なくなっていく
・元利均等返済に比べて、元金の減少が早いため、同じ返済期間の場合、元利均等返済よりも総返済額は少なくなる
<デメリット>
・返済開始当初の返済額が最も多く、当初の返済負担率が高いため、借入可能額が少なくなる可能性もある
元利均等返済の場合の元金と利息の割合
3,000万円を全期間固定金利2.0%、35年返済(元利均等返済)で借り入れの場合の元金と利息の割合を見てみましょう。
返済回数 | 毎月の返済額 | 元 金 | 利 息 | 残 高 |
1 | 99,378 | 49,378 | 50,000 | 29,950,622 |
2 | 99,378 | 49,461 | 49,917 | 29,901,161 |
3 | 99,378 | 49,543 | 49,835 | 29,851,618 |
12 | 99,378 | 50,291 | 49,087 | 29,401,997 |
60 | 99,379 | 54,476 | 44,902 | 26,886,816 |
120 | 99,379 | 60,201 | 39,177 | 23,446,504 |
私が見ている限り、元金均等返済を選ぶ方は5%くらいかと思います。金融機関によってはそもそも元金均等返済を取り扱っていないこともあります。住宅ローンに関する書籍などには、必ず返済方法についての記載がありますが、現場においては何も考えず元利均等返済前提で話をしているように思います。
10年後の残高に注目しよう
上記の表によると、10年目で残っている借入元金残高は、元利均等返済の場合2,344万円です。当初の借入金額が3,000万円ですので、実に78%の残高が残っていることになります。もちろん、変動金利を選択した場合は金利が変わらないとすると元金の減り早くなります。試算すると、0.6% で10年間金利が変わらなかった場合の元金残高は2,206万円で73%です。
元利均等返済の場合、当初は利息の支払い割合が大きいことが分かります。新築マンションを購入する方の中には、「10年後くらいには売却する」と言っている方が多くいらっしゃいます。購入するマンションの資産価値と、10年後の借入残高、購入時に充当する自己資金を見極めて考える必要があり、一般の方にはとても難しいことではないかと、個人的には思います。